Ramana Arul

アルナーチャラ便り 2019年10月

アンナーマライ寺院

アルナーチャラを一周するギリプラダークシナ道路にはアルナーチャラのシヴァリンガを祀る三つの主な寺院があります。

1.アルナーチャレシュワラ大寺院:
町の真ん中に位置する八つのゴプラム(タワー)を持つ雄壮な寺院。

2.アディアンナマライ寺院:
ラマナアシュラムの真裏に位置するギリプラダクシナ道路にある。
この寺は町の大寺院よりも古くに建立されたと言われている。

3.ティルネールアンナ―マライ寺院:
サンスクリット語アルナーチャラのタミル語がアンナ―マライ。
2004年に荒れ果てたマンダパㇺ(巡礼者が休める屋根のついたオープンスぺイス)が修復されてアンナマライ寺院となる。
ニルディリンガムを過ぎて100メートル位行ったところに位置する。
このお寺は日本ラマナ協会会長、故柳田侃先生と深いご縁がある。

柳田先生が1995年にポストオヒィス道路にご自分の住居を建設されて2000年までそこに住まれた。その間、先生は毎夜2時にギリプラダクシナに行かれた。その5年間のギリプラを通じて、元ニルディリンガムの管理者、エラッパスワミとの間に無言の友愛関係が成長したと私に語られた。そのエラッパスワミの努力でマンダパㇺが修復されることになったので、先生はこのお寺の修復費用を心から援助された。

今日は柳田先生ゆかりの、そのお寺に行ってみました。

ある日曜日の夕方五時に部屋を出て、アシュラムに行こうとスクータを向けたのですが、それとは反対方向のギリプラロードに行ってしまった。ニルディリンガムを過ぎ、アンナ―マライ寺院でスクータは止まった。日曜日なのに人混みがかなり少なかった。なんとなく寺の周りを散歩していると、ふと目に留まった浮彫の小さな像に向かって行った。ニームの樹の下に静かなスポットを見つけた。目の前は沐浴所で大きいウォータータンクには水がなかったが周りは森で囲まれている。その階段に腰を下ろし、夕陽が沈むのを見つめた。

寺に戻ってみると、エラッパスワミがおられて会釈を交わし合い、アンナーマライリンガを礼拝した。スワミは何かアルナチャーラを賛美する詩を唄い始めた。意味が分からなくても、何の気どりもない唄い方で聞いていると楽しくなってきた。突然、スワミが頭をリンガから180度回転させた。何と、そこには実物のアルナーチャラがそびえていた。私はもっと楽しくなった。心躍りながらウンナマライのサンクタムに足を向けた。この女神さまの顔の表情が実に愛らしく、帰依者の心を幸せで満たしてくれる。スワミはまだ唄い続けている。ふと、二人のオレンジ色の布をまとったサドゥ-たちに目が留まった。二人はマンダパㇺの入り口の両サイドの角に、向かい合う形で座っていた。二人とも静かだ。その無努力の静けさに心打たれた。一人のサドゥーの唇がかすかに動いているのが見えた。おそらく、自然に起こるジャパかマントラを唱えているに違いない。もう一人はただ静かにしている。まれにみる真のサドゥーたちだ。私はもっともっと楽しくなってくる自分に気づいていた。私も無人のベンチに座って、静かにアルナーチャラを見上げた。するとアルナーチャラが微笑んだ。

(シュンニャ 崎山 綾子 記)